この本は…
サラリーマン生活で3回ほど違う企業で働いてきました(現在は別の会社に勤務)。その中で管理職・役員を経験して人事評価の難しさを感じた際、手に取った本です。
「人生を選ぶ自由と力をあなたに」
「評価基準」と付くタイトルから想像の斜め上を行く結論で、思わず( ゚Д゚)ポカーンとなってしまいますが、「この本の評価基準をベンチマークに成長していけば、間違いなく人生の可能性が広がり、自分に合った生き方を選べるようになります。」ということでした。
確かに、会社がきちんとした評価基準を作っていれば、それを羅針盤として目的を定め、目標をクリアしていくうちにそういう人生の選択肢が出てくると思います。ただ、評価基準がない場合は論外ですし、あったとして策定しているのは経営者層で手を加えられず、的を得た評価基準が無い会社が殆どではないでしょうか。私はまともだと感じる評価基準を見たことがありません。
そういう場合は、この本を参考に会社の評価基準とは違うモノサシで自分の立ち位置を測ってみるのもアリだと思います。
印象深かった部分をピックアップしました。
入社時からしっかりとした評価基準がある会社で働いたらどうなってたかな~(遠い目)
- 会社人生の全ては人事評価で決まる。
- 会社の発展や存続に至るまで全てが「人事評価」に委ねられている。
→にも関わらず、多くの会社ではその具体的な「評価基準」が明確になっていない。 - 日本を代表する大企業でも、社員数名のベンチャー企業でも、いかなる業界や業種であっても、「成長している元気のいい企業」の人事制度の根幹は、ほとんど同じ形をしている。
- 人事制度とは、決して人を裁くものではなく、「人を成長させる仕組み」「褒める制度」。
- 大変残念なことに、日本の多くの会社では曖昧な基準で人事評価をしている。
- 著者曰く、社員が納得できるような評価制度が整った企業は日本の会社全体のたった1割程度。上場企業でようやく3割。
- 最近は人事評価の公正性を保つために、外部の人事コンサルタントらが参加する「評価調整会議」というミーティングを実施する企業が増えている。
- 「リストラは定年と同じ会社員の宿命といえる時代に入っている。但し、残りの年数がわかる定年と違い、リストラは突然やってくる。」
- リストラが突然やってくるのは、会社側がその人に何を求めているのかを具体的に明らかにしておらず、伝える努力や指導もせず、あるとき我慢しかねて、いきなり引導を渡す自体に陥る。
→理由1:「評価する側」が、いい人でいたいという心理がある。
→理由2:評価基準に「人材育成」という項目がない。 - 成長のカギは「無知の知」。
→「人事評価」は、知らないことやできていないことを指摘し、正しい方向に導くツールとして使う事ができる。 - 離職率の高い会社、若手がすぐに辞めてしまう会社には、評価制度が整っていない傾向が見受けられる。
- 人事制度が変われば、人が変わり、会社も変わる。人事評価には「相対評価」と「絶対評価」があり、「相対評価」に流されやすいが、「絶対評価」を基本にすべき。
- 人事評価に対する不信感は会社への不信感につながり、仕事への意欲も、成長したいと願う向上心も失わさせてしまう。
- 「会社が社員に求めていること」が明示されていない状態では、どんな人事制度も機能しない。
- 人事制度は「設計」よりも「運用」のほうが100倍大変。
→細かすぎる制度は運用できない。(外資系企業に多い)
→逆に評価基準が粗すぎる制度も大いに問題がある。
→360°評価は給与に直結する人事評価の方法としてはお勧めできない。
→評価基準がばらつく。(全評価者の視点をそろえることは極めて困難)
→期待値の高低により評価が変わる。(甘い上司は評価が高い、など)
→人気投票になる。
→評価を操作できる。(口裏を合わせてお互いに高評価にする、など) - 企業は人なり。結果や短期的な成果だけではなく、チャレンジも評価される制度を築いてこそ最も大事な資産である「人」が育つ。
- 社員が安心して長く働ける制度をつくるためには、確固とした「人事ポリシー(会社の社員に対する考え方)」に貫かれた評価基準が必要。
- 評価基準の曖昧さの例として「住宅手当」や「家族手当」がある。
- オーナー社長による判断は「究極の主観的な人事評価」は会社全体に悪影響を与える。
- 全ての評価を決めている絶対的な要素は「影響力」ではないか?
→「評価される人」=「影響力のある人」 - 正当な評価は、評価する側とされる側の双方が自らの行動や考え方をより具体的に見える化していくことが必要。
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見てくれてありがとね(・ω・)ノシ